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へ?三つ?…は、それもしかして何かの魔力が込められていて、何処かの火山に投げ込みに行かなきゃいけないんじゃ…
「…その映画私も見ました…ひとつの指輪は…」
「…そんなすごい指輪、僕のヲタ仲間にデザインして作れると本気で思ってます?」
そう言ってネコが差し出して来た掌には、あたし用が赤の、冴香ちゃんには紺の、明らかに指輪しか入らないであろうと思しきビロードのケースが乗せられていた
「「開けて良い?」」
意外と言える展開に、思わず冴香ちゃんとあたしの若干裏返り気味の声がハモった
「どうぞ」
ネコの言葉が終わる前に、あたし達はビロードのケースを開いていた
「結婚指輪だから、いつも身につけるじゃないですか、だから石は指輪に埋め込むデザインにしてもらったんです…一応天然のダイヤで指輪自体はプラチナでちょっと捻りのあるデザインにお願いして…って、聞いてくれてます?」
ネコが何かブツブツ言っているが、指輪の美しさに身も心も奪われているあたし達の耳が、聞くことを拒否していた
「…一応、僕のも同じデザインの石抜きなんですけど…あの、聞こえてます…?」
ネコの話しは後回し、あたしは冴香ちゃんの指輪を受け取って、左手の薬指にゆっくりと挿し込んであげた
勿論冴香ちゃんには、あたしの左の薬指に嵌めてもらう
指輪サイズなので小さめとは言え、天然物のダイヤモンドが月光に眩く煌めく
…今度も、んにゃ今度は、ン十年越しのあたしとの約束、思ってたのと違うカタチだけど、守ってくれたんだね…
…本当はあたしだけにくれりゃいいものを、冴香ちゃんとサイズ違いとは言え、同じデザインの指輪を同時にくれるなんて…
ネコにしては気が利いている!
あ、ネコの分の指輪は、冴香ちゃんとあたしで嵌めてやった
仲が良いとは言っても、今カノと元婚約者の立場からそうするのがベストだったと思う
そうそう、ベストだったのはそれよりも、冴香ちゃんとの指輪の交換の方だと思う!
そりゃあ?ネコに嵌めてもらうのがベストなんだけど?揉めることはなくても、どっちが先に嵌めてもらうかで蟠りが残るのもどうかと思ったので!
冴香ちゃんも同じ事を考えてくれていたみたいで、すんなりと儀式が終えられて良かった良かった!
因みに翌朝、美優ちゃんに目敏く見つけられたのは言うまでも無い…
ええい、黙っててくれればあとの三人にはバレなかったのに!
でも…これで冴香ちゃんもあたしも、ネコと夫婦…ううん、あのファンタジー映画風に言うと、ネコに縛られちゃったんだね♫
え?逆だって?ええい、細かい事は気にするんじゃないっ
これで今回のあたしの話しはおしまい!
また何か面白いネタがあったら書き込むし!
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