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中学最後の日。 「佐内!私佐内のことが好きなの。」 「すまない、すずめ。みみナイ(ギャルゲー)のななみが家で待ってるんだ」  頭に、はてなが浮かぶすずめ。 「待っていろ。ななみーー!」  走り去っていく佐内。 「ななみって…誰?」    高校初日。  春休み中にななみを研究し、ななみ風にイメチェンを果たしたすずめ。 (これで佐内も私のことを好きになってくれるはず!) 「佐内!どーよ?」  教室内で期待の眼差しを佐内に向ける。 「こ…高校デビューおめでとう…」 (ほ…褒められた⁉︎)  全然通じ合っていない。  佐内の友達の南くんが佐内に声をかける。 「佐内。すずめちゃんになんか言った?」 「何も言ってないが?それより!みみナイの新作が出たんだ!」 「好きだねー」 「ただし、推しのななみちゃんが清楚系にチェンジしたんだ…!」  遠くから佐内の話に耳を傾けていたすずめは驚く。 (清楚系になった、ななみちゃんにはときめかないでしょう?) 「それが…ななみちゃん、とても可愛かった。イメチェンをしてもななみちゃんは俺の推しだ」 (ん⁉︎)  二人の姿を見て、大爆笑している佐内の友達。 「どーした?何かおかしいところでもあったか?」 「いいやー」    学校から帰宅するすずめが向かう先は、もちろんゲーム屋さん。 「これください」 「へーギャルゲー好きなんだねー」 「恋愛マニュアルです!」  店員一同驚く。  帰宅後早速ゲームをチャレンジ。  朝になる。 「今度こそ!」  寝不足なすずめは寝る。    次の週。黒髪に戻し、中学の時のすずめと、あまり変わりのない風にした。 「おはよ。佐内と南くん」  二人とも驚く。 「うむ。いつものすずめだな。そっちの方がすずめらしさが出ているぞ」 (えーーーー)  少しキュンとしたすずめでした。
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