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不幸ヤンキー、”狼”に定められる。【前編】
―休日のとある昼下がり。薄い布団ではあるが魅力的なカラダを持つ下着しか身に着けていない1人の男と体格はさほどではないが、同じく下着姿の1人の青年を押し倒す。そして性行為の準備をしていくのだ。ゆっくりと静かに…。普段よりも緩やかな愛撫を施して。
―――チュッ…チュッ…。
「あぅ…ふぅん……」
曝け出された色黒の肌と淡いピンク色のつぶらな蕾にキスをされた青年は顔赤くし可愛らしく啼く。そんな彼に迫っている男、哉太は快楽で悶える幸に笑い掛けては今度はつぶらな蕾を摘まんで弾くのだ。
―悪戯に扱われる幸は甘美な声を上げ、拙くはあるが自身の率直な意見を述べる。
「あぁっぅっ…、かな…たさん。今日は…なんか、ゆっくり?」
気付いた様子の彼に哉太はわざと唇を彼の耳元に寄せて甘えた声で話していく。
「うん。ゆっくり味わってるよ?」
「うひぃ…、耳に言う…なぁ…!」
「…本当は壊したいくらい激しくしたいけど…ね?」
すると哉太は幸の耳元から離したかと思えば、また彼の淡いつぼみを見る。自分が育てたおかげで赤く熟れて熟した果実はとても妖美で美味しそうに見える。…だから味見をして見たくてかぶりつくように乳首を舐め上げた。
―――ジュルッ…。
「やぁっうっ!!??」
少し卑猥な音を立てて幸の顔色を見れば、彼は顔はさらに真っ赤にして恥ずかしそうにしていた。その様子を見て哉太は機嫌を良くして疑問を投げかける。
「な~んで俺が今日、こんなにゆっくりするのか…幸は分かる?」
突然の問い掛けに幸は考えようと頭を巡らすが同時に局部を触れられた。しかも下着からではなく中に侵入されるものだから驚くのも束の間だ。
「ひぃぁっう…!?」
さらにはゆっくりと上下に扱かれるものだからみっともない声を上げてしまう。だがもともと哉太の愛撫によって勃起させていたので、早漏の幸は射精するには時間などかからなそうだ。…そんな状況でも幸は可愛らしく考え答えを出そうと試みる。
―――ジュプッ…ジュップッ…ジュプゥッ!
「はぁぅっ…えっと…俺が…」
「俺が?」
すると哉太は今度は激しく幸自身を強く扱いていくのだ。その変わりように幸はまたさらに甲高い声を上げては答えを導き出すのだ。
「悪いことしたぁ…から…、やぁぅっ!!!」
―――ジュプゥ…ジュプゥ!!!
―――ドピュゥゥゥ…。
「はぁ…はぁ…ご…めん、なさい…」
呆気なく達してしまう幸に哉太はなぜか深いキスをした。
―――プチュゥ…クチュウゥ…プチュゥ…。
「ふぅ…ん…んんぅ…ふぁ……」
歯列をなぞり上顎を通って歯列、そして下顎を通って舌を吸ってしまえば幸は応えるもののキャパオーバーなのか涙を流してしまう。そんな愛しい恋人に哉太は意地悪そうな笑みを見せて解答を述べる。
「幸は悪いことなんてしてないよ? …ただ、たまにはゆっくりやった方が良いかな~って。だって」
―幸が恥ずかしがるからさ。
その答えに幸は涙目をしつつも悪戯に笑う哉太へ睨みつけるのだ。
「は…恥ずかしがるって…。哉太さんは…ずるいよ。俺で…遊んでさ?」
ふて腐れる幸に哉太は彼の額に再びキスをし、そして置いてあったローションを取り出した。すると幸の後孔に塗りたくるのだ。
「あぅ…つめた…!」
「相変わらず新鮮な態度を取るよね~幸君は~。…それは天然故なのかな~?」
「俺は…天然じゃな…い!」
「天然な人ほど天然なものだよ、かわいい幸君?」
「うぅ……」
冷たいローションにビクつく天然な事に反論が出来ない幸へ哉太は吐息を漏らす。そんな彼は彼の小ぶりな尻を弄りながら過去を振り返るのだ。
「俺、自慢ではないけれど…色んな奴と遊んできたけどさ~、幸が初めてだよ?」
「な…にが?」
尋ねてはみるが哉太は深い所へ指を侵入させ、掻き回しては幸の好きな所を突く。指は哉太にカラダを開発されて受け入れ態勢は万全。だが若さだからなのか、締まりがよく、哉太を悦ばせるのだ。だから余計に、まるで初めての性行為かのように指を抜いて自分自身を挿入させたかった。
―――グチュッ…ヌプッ…ヌプッ!!!
「ひぃあ…う…!!?」
幸が軽く悲鳴のような高い声を上げる中、哉太の指が次第に2本、3本へと内壁へ侵入させていく。やはり哉太にはスローセックスは性に合わないらしい。幸の可愛らしく喘ぎ悶える姿を見てしまえば余裕など無くなってしまう。
―そんな彼を察したように、幸は快楽の涙を流した。
「かなたさん…こたえ…おしえてよ。だから、はやくぅ…」
―かなたさんを、下さい。
すると哉太の動きが止まった。何事かと幸は哉太を見ると彼は呆気に取られたような表情を見せてから、余裕の無さそうな表情を浮かべたのだ。
…哉太さん、どうしたのかな?
しかし表情とは裏腹に哉太は先ほど表情を払拭するような言葉を掛けたのである。
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