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不幸ヤンキー、”狼”とぎこちなくなる。【2】
「なるほどな~…。つまり、彼岸花とのマンネリ…か。別に良いんじゃねぇの?」
「…撫子、お前を今すぐ能力で壁際まで吹っ飛ばして―」
「…って言いたい所だが、今までセフレで遊んできたお前にとっては死活問題だな~!」
ケラケラと笑っては言い直す撫子に哉太は憤り抱く。しかし怒ってもなにも出てこないので、甘いカフェモカで自身を落ち着かせては普段の調子に戻すのだ。
「はぁ~…。撫子は、俺を慰めたいのか馬鹿にしたいのか…どっちかにしてくれない?」
問い掛けられた撫子は豪快に笑ったかと思えば率直な意見を出してくる。
「慰めたいと言うよりかは死活問題だな~。こっちとしては売れる小説を作ってもらわないといけないしな!!!」
欲に目が眩んでいる彼に哉太は深い溜息を吐いた。いつものことながら本当に撫子という存在は良い意味でも悪い意味でも欲に対してど貪欲であり、能天気な男だと実感をする。
「…本当に嫌な奴だよね~。撫子のくせに」
そして哉太もカフェモカを一口飲んで溜息を吐く。自分が他者に対して労りを持てる人間になったことにも驚きではある。だがそれ以上に幸以外と性行為をするのは毛頭ない。自分でもある一件で無理だと承知しているし、それに…。
――っチュピィ…チュピィっ…。
「やぁっうんんっ…、かな…たさん。恥ずかしい…」
妄想の中の幸が自身の局部を上下に扱きながら、哉太に恥ずかしげに魅せてくる。普段はツンデレで厳しい彼ではあるが、行為の際にはデレ度が上回り、無自覚の甘さを入れくるのがなんとも愛らしくて愛おしいのだ。
穢れを知らぬ青年のカウパーを手に取って、哉太は青年の…幸の後孔へと指を抜いては挿入れるを繰り返す。
「あぁうっ……、やぁっ……!」
絶えることの無い無垢な幸の甘美な喘ぎに哉太は荒い息を整えては言い放つ。
「幸…。期待してくれてるの?」
「あぅっ…ふぇ?」
「…俺が幸の可愛いお尻に、俺のぶっとい”おちゅーしゃ”してあげるのを…さ?」
幸の尻を弄っては無垢な青年…幸へわざと囁くと彼は甘い声を上げて、堪らずに声を上げるのだ。
『哉太さんの…ふとぉい”おちゅーしゃ”…してぇ…、…ダメェ?』
幸の泣き出しそうな顔に哉太は興奮を覚えて挿入ようとして…。
「…場磁石君。あなた公衆の面前で何か…ハレンチな想像をしましたか?」
蔑むような目線を向ける麗永に羞恥を抱かない、いや、抱けない彼は正直な感想を述べた。
「…してた。…幸がイク妄想を―」
「あなたは頭は良いのに果てしないほどの”馬鹿”だということが分かりましたよ。…なんでこういう人達と僕は友達なんでしょうか」
麗永が再び頭を抱えるような動作をするが、哉太は幸せそうである。そんな対照的な2人に撫子は面白そうに見ていた。
―だが、そんな麗永は1つ、哉太の言葉で気になる事があった。
「…場磁石君。心さんは親戚の家に泊まると言って出るのですか?」
「うん。いつもそう言って出ていくけど?」
何か不可思議な表情をする麗永に哉太は問い掛けようとするが、彼自身が呟いていた。
「…おかしいですね。…もう一度確認してみますか」
麗永の発言に気になる哉太と撫子を見て、彼は1つ咳払いをして言い放つ。
「…心さんの家は親族が居ないと聞いているんですよ。…まぁ居るんでしょうけれど、彼女のご両親は”駆け落ち結婚”みたいなものですからね」
「えっ!??」
彼の言葉に哉太は衝撃を抱く。そんなこと知りもしなかったからだ。だがそんな彼に麗永は心配を抱かせるような言葉を吐く。
「でもそしたらどうやって…。…さすがに未成年でホテルは保護者が居ないと入室出来ませんし…野宿でもしていたんじゃ?」
「そんな…」
麗永の指摘に今度は撫子がニヤついては思いついたように提案をする。
「…これは小説のネタとして出来るんじゃねぇの?」
驚く哉太と小説のネタに貪欲な撫子の様子を気にせず、麗永は考え込んでから席を立って2人に言い放った。
「僕は心さんの親族が居ないかを当たってみます。…なにか不穏な感じがしたので。…ではまた!」
会計を済ませて歩いて行く麗永を2人は見送ってから仕事の話をするのだが…哉太は仕事のことよりも囲戸 心のことで頭がいっぱいになっていた。
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