不幸ヤンキー、”狼”に奪われる。【4】

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 玉緒に脅されたかと思えば、激しいがどこか優しい竜巻によって幸は目を閉じ空を見上げた。空に変わりは無い。  ただ、場所が変わったような気がするのは幸だけなのだろうか。しかも、地面に伏せていた哉太やフライ、骸骨(がいこつ)の兵士に囚われていたはずのスピードも見当たらなかった。  ――だから余計に心配になってしまう。3人とも、特に哉太はどこへ行ってしまったのだろう。 「幸君……、幸君!」 「あ……、心。俺達は、どうなっていて? それに、3人は? ……哉太さんは?」  すると心は申し訳なさそうな顔を見せたかと思えば、自分自身のことを話したのだ。それは自分の隠された、テレパシー以外の能力のことを。
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