不幸ヤンキー、”狼”に奪われる。【4】

3/6
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ
「哉太君とフライ君の幸君を心を私の能力で、あの人から離れられたの」 「それって、どういう?」  すると心は自分が持っている本来の能力を説明していくのだ。 「私の能力は主にテレパシーだけれど、それだけじゃない。その人達の想いを繋げ、無機物だろうが有機物だろうが、人だろうが、その力を増強させる力。……それが本来の私の能力なの」 「じゃあさっき言った哉太さんやフライの能力で、って言うのは?」  すると心は自身のシルバーアクセサリーを掲げる。控えめなハートにダイアモンドが埋まれている可憐な代物だ。そして心は言い放つ。 「幸君が持っているシルバーアクセサリーと、2人の想いを繋げてここまで来たの」 「そう、なのか」  にわかに信じがたいが、そうらしいことに幸は驚愕したのも束の間、嬉しい言葉も受け取ることが出来たのだ。それは自身が欲していた言葉でもあったのだから。 「幸君が大切に想われている証拠、だね」  その事実に幸の胸が熱くなる。逃げ出してしまったのには悔いが残るが、それだけ2人に想われていると思うと心がとてつもないほど温かくなるのだ。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!