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(俺のことをこんなにも想ってくれる人が、ちゃんと居る。情けないけれど)
――幸せだ。
「……そっか」
そんな幸に心は幸の心情を読まずとも分かっているような様子で言い放つ。それは2人にとってかなり重要なことであり、行動を左右するものだから。
「幸君。狙われているのは私と幸君の……大切な人達から想われているアクセサリー。でも、それを引き渡して哉太くん達を助けられると思う?」
その問い掛けに幸は迷いを示した。狙われているのは自分達が持つアクセサリーだ。引き渡せば哉太達を助けられるかもしれない。でも、それは違うと思う自分が居た。だから彼は少し考察をする。
「たとえシルバーを渡したとしても、あの金髪がそれで哉太さん達を解放させるかは分からない。それに」
――こんなにも想われている大切なモノを、俺は奪われたくはない。
率直で正直な意見を述べる幸に心は確信を抱くように微笑み、そして自身も賛成をしこのような提案を持ち掛けたのだ。
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