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「同感だよ、幸君。じゃあ、今度は私達がみんなを救おうよ」
「でも、どうやって?」
すると心は幸の持っているシルバーのうち羽が付いているピアスを差した。それはフライが幸にくれたものである。フライは無機物……主にカーディガンを使用して翼として扱い、飛行したり風を操ったりもしていた。最近では鍛錬をしているからなのか、カーディガンが無くとも背中に翼を生やしている姿を目撃したことがある。…幸も1度だけ使用したことがあり、その時は癒しを施した風を操った。
(俺、使えるのかな。前はフライを助けたくてとっさに使ってはみたけれど)
「使えるよ。……幸君がフライ君やスピード君、それに哉太君を助けたいと真剣に願うのなら、きっと使える」
「俺の”心”を読むなよ、恥ずかしいし」
「”こころ”だけに?」
「……上手いこと言うな、心ってば」
赤面は免れぬが、少し笑って幸はピアスに願いを込めた。
……お願いだ、フライ。いや、ピアスよ。
――俺はみんなを助けたいから!
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