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「心が無事なら、俺は、別にぃ……というか、そんなことより! 分かったか、場所?」
”ちゃん”付けをしなくなった幸に嬉しさを感じながらも心は深く頷いて、哉太から一瞬だけ伝わった写真のイメージを伝える。それは一面の花に囲まれた写真であったので心は確信した。
「幸君。屋内で花がいっぱい咲いている場所。そこに哉太君達がいると思う!」
「分かった、よしっ。行くぞ、心!」
「うん!!!」
「俺にしっかり掴まれっ!!!」
そして幸は大きな翼を広げて花園が無いかを偵察する。しかし心は伝わった写真が一瞬であったので見落としていたのだ。哉太から伝わった一面の花々の中に添うように儚げに咲いている赤と青の彼岸花の存在を。
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