不幸ヤンキー、”狼”に奪われる。【終】

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 心と指切りをし終え彼女の頭を軽く撫でる。すると彼女がもっと嬉しそうな表情を見せたので自分も安心感を持つが、そんなことをしている暇は無いと悟った。 「指切りも大事だけれど…その屋内の花園を見つけるぞ! 一応、空を見て回ってみたけど…どこに?」  幸が能力を解除したおかげで心は自身の能力に集中することが出来た。しかし不思議にもテーマパークであるのに人が居なくなっているのにも不審を抱く。だが心にとってはそれは好都合だ。  ―余計な心理の騒めきが入らなくて済むのだから。意識を集中させ瞳を閉じ、哉太達を探す。だが哉太の”テレパシー”が薄れてきた気がした。  …哉太君、フライ君、スピード君。無事でいて…。  さらに意識を集中させてシルバーアクセサリーの力を駆使した。最大限に使用しているおかげで光輝くアクセサリーに幸は息を呑む。  …すげぇ。これが、心の大きな力。  ―だがその膨大なる力のおかげで敵に勘付かれたようだ。
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