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不幸ヤンキー、”狼”と共有する。【終】
今日は見事な月であった。安心して眠っている心を部屋で寝かせてから”狼”は愛する人間を酔わせては堕としていく。だが今回は普段よりも激しく、淫らに青年を堕とすのだ。
―青年は淫らに、そして官能な声を上げて久しぶりの性行為をする。
「はぁぅっ…、きょう…なんかぁ、かなたさん…激しいぃっ?」
立バックにて幸は哉太に犯されてはいるのだが久しぶりの行為であったからか、哉太は勢いは止まらずにいた。腰を上下に、そして激しく突く動作を繰り返す哉太に幸は甲高い声を上げてよがることしか出来ないでいる。
「あぅっ…、イク…!」
しかし可愛らしく何度も射精をする幸に哉太は舌なめずりをしてから言うのだ。
「だって、ずっとオアズケされてたんだよ。…エッチなことしたくて堪らなかったのに?」
―――ズチュッ…ズチュッ…ズチュッ…!
幸が達してもなお、行為を続ける”狼”に健康的な色黒の肌をした赤ずきんは甘美な声を上げ、必死に訴えかけた。
「ひぃうぅっ…、でも…激しい…、からぁ…」
―――パンッパンッパンッ!
「あぅっ…! もう…哉太さん、イって…よ…?」
快楽で泣き出している幸に哉太は背後にて幸の耳元で囁くのだ。
「ちゃんと俺のお世話しなかったからだよ~。…俺は幸とずっとシたくて堪らなかった…からね!」
―――パチュンッ…パチュンッ…パチュンッ!!
「うぅっ…ひぃあっうっ!」
肌と肌が触れ合い、そして粘着質でいやらしい音を奏でる幸の部屋にて2人は行為を続ける。肌寒い季節になっては来たが2人の体温はかなり上昇し熱いくらいだ。
―そんな中で幸は壁に手を付いてからくるりと反転をしたのだ。突然の行為に驚く哉太ではあるが幸は彼の耳元で恥ずかしげに言い放つ。
「エッチだけじゃなくて…キスもして?」
「…どうして?」
すると幸は儚げに笑っては恥ずかしげに言い放ったのだ。
「…俺、哉太さんにキスされんの…好きだから」
哉太のボルテージが上昇する。すると彼は幸の要望に応えるように深くキスを施したのだ。
―――チュゥ…クチュウゥ…プチュゥ…。
「ふぅ…んんぅ…、ふはっ」
唇を離されさらに顔を真っ赤に染め上げる幸に哉太は愛おしそうな表情で言葉を掛けるのだ。
「…そんな可愛いこと言う幸は本当にツンデレで、それでいて」
―俺を悦ばせるのが上手だね?
「そ…そう言ったわけでは―」
―――チュッ。
「そう言ったことにしてよ。幸?」
「…うん」
幸の可愛らしい言葉に応えて哉太は再び深いキスをする。
―そして2人は久しぶりの性行為を満喫したおかげで裸のまま眠ってしまったのだ。
―――モゾ…モゾ…。
本来であれば寒い思いをする羽目になるはずであったが、身体はポカポカしていた。すると幸は目を覚まし自身に掛けられている布団を見て不思議に思う。
「んんぅ…、あれ、布団?」
…布団が掛けられている?
眩しい朝日の光で幸が起き上がれば身に覚えのない布団が掛けられており、その温かさでもう一度眠りたいと願いそうになった時であった。
「幸君。朝ですよ」
「…えっ?」
すると目の前には髪の毛をハーフアップにした心がそこに居た。幸は衝撃を受けつつも彼女は平然とした様子で幸と哉太の下着やら衣服を持ってきている。呆然としている幸に普通の表情を見せつつ体調を伺うのだ。
「服と下着は持ってきました。…風邪引いてません? 大丈夫ですか?」
「あれ…えっと…」
「裸で寝ていると、まだ寒さは本番では無いですけれど風邪引いちゃいますよ?」
そして男の裸を目の当たりにしているのにも関わらず、依然とした態度で接する心に幸はこれは夢なのではないかと疑う。…普通の、というよりも。この状況を幼い少女が大したことが無いように装うのはあまりにも不自然すぎるからだ。
「えっ??? 心…ちゃん?」
幻覚かと思い目元を擦ってはまた見るのだが、驚きで呆然としている幸に今度は哉太が唸りながら起き上がり呑気の欠伸をして…驚いていた。
「ふわぁ~…どうしたの~、花ちゃん…って、え…、こころ?」
驚愕している男2人の裸体にビビることもなく、顔を真っ赤にすることもなく心は堂々としていた。そんな彼女はその理由を解説するようにしていく。
「…あ。私よく、お父さんがやらかしていた時の後片付けとかやっていましたから大丈夫ですよ」
「えっと…それはどうして?」
幸の問い掛けに心は2人の衣類を置いてから言い放った。
「私のお父さん。お母さんが亡くなってからもせーよく? はあったらしくて『男はノーかんだ!』って言っていたので」
…え。あの人、そういう癖があったのか…。
人は見かけによらないとは言うものだが、さすがにこの状況に対して寛大すぎる少女へ幸はある意味心配を抱く。そして、率直な意見も伝えてしまった。
「…心ちゃん、よくお父さんを尊敬していたね」
「花ちゃん、失礼なことは言っているけど…まあそうだよね? こころは偉い子だね~」
「よく言われます。まぁとりあえず着替えなよ。…私、後ろ向いているからさ」
…心ちゃん、それは男が言うセリフだよ?
そんなことを思いつつ着替え始める幸と哉太ではあるが、心は幸に向けて言い放つのだ。その時の彼女はもっと砕けた口調で話し掛けたのである。
「哉太君が言っていた”ムマ”っていう人のこと、幸君も頭に入れておいてね。また出てきてしまうかもしれないから」
「ああ…うん。でもどうして心ちゃんは俺の心が分かって―」
「じゃあ学校に行ってきま~す。これからもよろしくです!」
―幸君、哉太君!
そしてランドセルを背負って2人に少しだが笑みを見せる心に幸と哉太は呆気に取られる。…だがすぐに笑顔で返すのであった。
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