久しぶりです。

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久しぶりです。

「守、さすがクラスで人気者のお前が幹事をしたら、ほとんど皆んな集まったな!  でも、理恵が居ないのは寂しいけどな。」 「きっと、天国で俺達を見てるよ。  もしかしたら、理恵も、この同窓会に参加してるかも知れないぞ」 「そうだな……」  俺は理恵ちゃんに一目惚れをしてたんだ。  理恵ちゃんはクラスのマドンナだった。  これは、昨年、小学校の同窓会の出来事だった。 「お久しぶりです、守君」 「あっ……  ひ、久しぶり…… 「お前、アイツ誰だ?」 「知らない……  でも、突然、話し掛けられたから、俺、久しぶりって応えたよ。」 「アイツ、お前の名前を知ってたぞ」 「久しぶり!  元気にしてた?」 「あぁ……」 「アイツ、皆んなに言ってるぞ……」  俺達の中学は三クラスだった。  俺は幹事だったから、今回の参加者は、全員、把握しているつもりだ。 それに三クラスだから、ほとんどの顔は覚えている。  卒業して六年しか経ってないのに、あんな奴、居ただろうか?  それに、なんでこの場に居るんだ?  その男が突然、マイクのあるステージに向かった。 「皆んな、久しぶりって応えてくれてたけど、本当に僕の事知ってるの?  さっき、久しぶりって言ったよね。  僕は君達の事を知ってるよ。  だって、君達が僕をクラスに誘ってくれたんだから!  ねっ、そこの守君」  会場の皆んなが俺に注目した。  俺達がクラスに誘った? 「一番、最初に誘ってくれたのは、君、守君なんだよ。  久しぶりに会えて良かったよ」  えーーーーーっ!  俺が一番最初に誘った⁇ 「守君や皆んなと一緒に居れたのは、たったの一時間だったけどね!」 「えっ、一時間だけ???」
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