十四話 勉強、スポーツ、次は…①

1/1
前へ
/32ページ
次へ

十四話 勉強、スポーツ、次は…①

「ヤッホー!聞いてたよ〜! すごいじゃん、テスト満点だってね!おめでとう!」 アプリを開くなり、リベルダは僕に祝いの言葉をかけてくれた。 手にはクラッカーと顔文字『(*゚▽゚)_∠:.´*。☆』でお祝いをしてくれた。 それは嬉しいのだが… 「まだ何も言ってないのによくわかったね。」 「携帯の電源オンだったから、普通に聞こえてた。」 なるほど、リベルダは事実上僕の携帯に住んでるわけだから、 電源さえついていれば状況は筒抜けってことか。 「ありがとう、素直には喜びにくいけどね。 ほとんど、キャラクターの力借りてるから」 実力じゃないといえば実力じゃないので、どこまで喜んでいいものなのか。 心境が微妙な僕。 一方リベルダは誇らしげな表情を浮かべる。 こんな話している間に、いつの間にか表示されているレベルがまた上がった。 しかも今度は二つ分だ。 「おぉ、コスパいいね〜!一気にふたつ抜き〜!」 「どういう基準なんだろう…使ったアイテムならリレーの時の方が多かったのに。」 「あれじゃない?テスト2回受けたから。2回分…みたいな?」 「そういう理由?」 安直な…というかその基準はどうなんだろうか。 まぁ、文句を言っても仕方がないんだけど。 「なんかレベル上がって変わったことある?」 「どうだろう…なんか変わった雰囲気はないけど…」 目に見えてわかる変化はまだないらしい。 「まぁ、とりあえず二つ目の願いはこれで完了…と。」 「でも、まだまだレベルは一桁…100までは程遠いなぁ…」  レベルはようやく5 こちらとしてはまだまだ願いを叶えられる…ということだから、ありがたいくらいにしか思わない。 でもリベルダからしてみれば、このレベルは...言うなれば自由になるためのカウントダウンみたいなもの。 この調子で少しずつしかレベルが上がらないと思うと、気が遠くなるよな…。 「やっぱ一部だけ真似て、小さな願い事叶えても… レベルにはなかなか影響出ないのかな…」 「制限ある中ではこれが限界か…、 そろそろ一気にレベル上げできそうな願い考えて、プライベートの願い叶えない?」 「一気に願いのレベル上げ?」 そんなこと言われても、そんな願い思いつかないしな… 大きな野望があるわけでもないし…急にコスプレしろと言われても思いつかないし 「レベル上げの条件なんだっけ?」 「衣装買う、能力使う、願いを叶える」 リベルダは指を3本立てて質問に答えてくれた。 なるほど、一応今までの二つの願いでちゃんと3つともクリアはしてるけど… 「やっぱ…『衣装買う』がネックかな… 結局靴下とスニーカーとメガネしか買ってないし…」 まぁ、その辺りも決して安くないけどね。 ここの店、いい物で質のいい商品売ってる分、手間がかかってるのか普通のよりちょっと高いし。 「それもあるかもしれないけど、願い事ももっと大きなものにした方がいいんじゃない? もっと異世界系のキャラの能力…魔法使うとか…そのくらいしないとちまちまとしかレベル上がらないかも。」 魔法系ね… 確かにファンタジー系のキャラはトラック片手で止めた時以外やってないな… 面白そうではあるんだけど… 「魔法使う理由がないんだよね…」 「なんで?」 もちろん、魔法は使ってみたいし この機会にその体験は絶対したい… けど、魔法を使って何がしたいか…と言われれば…特に何もない。 「普通の…街中とかで魔法使ったって人目があって、見られたらパニック起きるし、 そもそも、計画して今日魔法使いたい…とかないし… 咄嗟の時に使いたい魔法は結構あるけど。」 今の現代で、いざ計画して魔法を使おうとすると案外魔法の出番はない。 そのくらいに化学は発展している。 「…そう言われるとそうかもね… でも…だったら何がいいの?」 「うーん…」 そう聞かれると、僕は首を傾げながら考えた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加