十七話 手段選ばず

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十七話 手段選ばず

「あんたのモテたい願望はそんなもんなんかい! モテを甘く見るんじゃない!!!」 激怒するリベルダ。 「でも、知らないキャラを自分のために利用するのは…やっぱちょっと」 「今更それいうの? コスプレして初めて二次元のキャラの能力使えるってことは説明したよね!? それを承知で『モテたい』って願い言ったのはあんたでしょ!? そんな軽い覚悟で願い事言ったわけ!?」 確かに、今更なことを言ってるのはわかる。 要はリベルダは『手段を選ぶな』と言っているわけだ。 でも、仕方ないじゃないか。 好きなキャラしかコスプレするつもりなかったし、その範囲内で願い叶えられると思ってたし。 そう言うつもりだったから、あんまりこのこと深く考えてなかったし! かっこいキャラやればモテると思ってたし! …と言うことを内心で思ったけど、直接本人には言わなかった。 しばらくして 「でも、確かに一理あるわ。」 リベルダは静かにそう発言する。 顔を真っ赤にしながら怒っていたけど、 フーフー言いながら心を落ち着かせているようで、 言葉を選んで話し始めた。 「確かに、そう言うルールというか、マナーはあるかもしれない。 何にも知らないキャラになり切られたら、複雑かもしれないし イヤイヤやってたら、クオリティー高くても相手に伝わって魅力半減だもんね でも、それなら話は早い…」 「え?」 リベルダは悪い顔をしながら指をワナワナと動かし悪い顔をしながらいう。 「知らないなら、しればいいのよ。 今からそのアニメ見て、キャラの研究をして、愛着を持てばいいのよ!」 提案された方法は、顔に似合わず至極もっともな解決方法だった。 まぁ、ごもっともではある、結局キャラのことを知っていればいのだから。 だけど、それが難しい。 「でも…僕この手の読んだことないし… そもそも興味ないから頭に入ってこないと思うんだ! やっぱりせめて僕の知ってる作品から探した方がいいと思う!」 批判するつもりではないし、このジャンルのアニメを好きになる人の気持ちはよくわかる。 ライブシーンなんかのクオリティーは、曲も映像も最高レベルだ。 それは認める、ライブシーンだけ公式で上がってる動画を見たけどあれは本当にすごい! でも!僕には合わない!少女漫画のご都合主義逆ハーは好みじゃない! だって、無責任にヒロインに甘いこと言って夢見させる感じが現実味ないし… 歯が浮くようなセリフもちょっと見てられないというか… だから気が乗らないというか、無理なものは無理! 合わないものは合わない! しかし、リベルダは気にせず言う。 「おのれはモテたいんか、モテたくないんか!?」 「モテたいです!」 「コスプレして、願い叶えると言う話に同意したんじゃないんかい!」 「いたしました!」 「だったら、言われた通りにやらんかい! 人気キャラの分析もせず、持てたいとか甘いこと言うんじゃない!」 「はい!リベルダ様!」 「そんでさっさと、レベル100にして、私を解放しろ!!」 「はい!喜んで!」 やたらと力入れて今回協力してくれていると思ったら、そこか! いや、リベルダの願いは最初からそこだったな。 こうして、双方の不純な動機で僕はキャラクターの勉強を始めた。
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