戸惑う女と受け入れた男

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いくら旧知の仲とはいえ、潰れ掛けの呉服屋に資金援助をすることに対して反対する者が仁しなの中にはいるらしい。 けれど、もしも両家が縁続きになれば援助をする正当な理由ができ、反対の声を黙らせることができると悠太朗の祖父はひらめいたそうだ。 そこで提案されたのが仁しなの跡取りである悠太朗の嫁を倉石家から欲しいというもの。 本来ならば呉服屋を継いだ伯父夫婦の子供から選ぶべきだが、男ばかりの三兄弟で女がいない。 そのため悠太朗の祖父は伯父の妹の娘――つまり美雪を指名してきた。
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