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今日は料亭の仕事が休みなので、悠太朗は美雪を誘って街へ買い物に出掛けた。
その帰り道に商店街を通ったところで、そういえば福引にチャレンジできるチケットを持っていたことを美雪が思い出して、挑戦してみることにしたのだ。
するとたった一度で一等を当ててしまった。景品は、関東にある高級温泉宿ペア宿泊券。
「どうしよう。お義母さんにプレゼントしようかな」
商店街から自宅への帰り道。一等の景品である宿泊券を手に持ちながらその使い道を考えていたのだろう美雪が呟く。
せっかくだから毎日お世話になっている瑛里にプレゼントをしようと思い付いたのかもしれない。
けれど、悠太朗はそれを全力で止めに入る。
「母さんにプレゼントなんかしないで、美雪さんが一等当てたんだから美雪さんが行くべきだって」
「じゃあお義母さんを誘ってふたりで行こうかな」
「なんでそうなるの⁉」
そこは俺を誘うだろと、悠太朗はすかさず突っ込みを入れた。すると美雪がクスッと笑う。
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