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「美雪さんは俺を年下だから頼りないって思いますか」
「え? ……ううん、思ってない」
そういえば以前、これと同じようなやり取りをしたことを思い出した。
美雪の答えを聞いた悠太朗が優しくほほ笑む。
「俺を頼っていいし、もっと甘えていいんだよ」
「悠太朗くん……」
必死にこらえていた涙が再びじわじわと瞳に溜まる。それを悠太朗が親指の腹でさっとぬぐった。
「繭子ちゃんのことで泣いてるんですよね」
美雪はうんうんとうなずく。
「だったら、大丈夫なんて嘘つかないで最初からそう言ってくれたらよかったのに」
「でも、悠太朗くんや仁しなにはたくさん迷惑かけたからこれ以上は――」
「その考え方やめましょう。迷惑になんて思わないから、病室で繭子ちゃんとなにを話したのか俺にも教えて」
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