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悠太朗に促されるように美雪はゆっくりと繭子のことを打ち明けた。
彼女がこれまで美雪に抱いていた感情や美雪を取られたくなくていろいろといけないことをしてしまったこと。
すべてを聞いた悠太朗は「そっか」と短く呟いたあとで黙り込んだ。
仁しなへの数々の嫌がらせやネットでの誹謗中傷、それにおそらく睡眠薬まで飲まされたのだから悠太朗の繭子への怒りはかなり募っているだろう。
しばらくすると彼は顔を上げて、美雪を見つめる。
「美雪さん。繭子ちゃんのことは俺に任せてください。いい案があるから」
「いい案?」
「そ。今の話を聞いて思ったのは繭子ちゃんはきっと寂しかったんだろうなって。だから彼女をひとりぼっちにさせなければいいんだよ。ま、俺に任せて」
悠太朗はにこりと笑って、自身の胸をトンと叩いた。
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