戸惑う女と受け入れた男

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そんな美雪をかわいいと言うのは悠太朗くらいだ。 けれど、本当にそう思っているのではなくて、きっと誰にでも同じことを言っているのだろう。 というのも彼は態度がチャラチャラしていて軽い男だと美雪は以前から思っていた。 キッチンカーにお弁当を買いに来ていた頃も、 『リップの色変えました? かわいいね。俺の好み〜』 『今日の美雪さんすごくかわいいですね。あ、かわいいのはいつもか』 などと言って美雪をおだててきた。 最初の頃は、年下男子に褒められてうれしい~と浮かれていたが、あまりにも褒められまくるのでだんだんと怪しく思えてきた。 もしかしてからかわれているのではないかと疑い始めたら、悠太朗の褒め言葉がまったくうれしくなくなった。
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