嫉妬

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嫉妬

矢部さんが私の前の席に座った。 ハナちゃんと美穂が矢部さんを推すから、変に意識してしまう。 「お疲れ」 「「お疲れ様です」」 「2人共、今日はありがとうね。宮もっちゃんまで手伝わせてしまってごめんね」と言う矢部さん 「いえ、私は、全然大したことはしていないので」 「いや、助かったよ」と矢部スマイルだ。 ──そうだ、矢部さんって笑顔が優しいんだ! いわゆる恵比寿顔、ご利益ありそうだ! と思ってしまった。 そこで、美穂が「矢部さん、彼女居ないんですか?」 とストレートに聞いた。 「ハハッそうなんだよ。もう32だし、そろそろ結婚しろ! って親は煩いんだけどね」と笑っている。 ──あ、ならば結婚したい者同士で、ハナちゃんとピッタリじゃん!  と1人気が付いてニヤリと笑っていた。 「どういう人がタイプなんですか?」と、また、ストレートに聞いている美穂、悪気はない。 「え〜? タイプ? 改めて聞かれると難しいんだけど、好きになった人がタイプなのかなあ?」 「ブッ」と軽く吹き出す美穂 「あ、すみません」 「ハハ、いや、ごめん。キザだったよね。あまり考えたことがなかったから、分からないな」
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