嫉妬

5/6
前へ
/180ページ
次へ
そして、本当に失恋話を始めた矢部さん 失礼ながら、あまり興味はなかったが、聞くと、今の私には、どっぷり引き込まれる話だった。 彼女とは、学生からのお付き合いだったらしく、社会人になって、仕事が忙しくなって、彼女に全然連絡が出来ない日々が続いたんだと。 彼女からは、お決まりの、『あなたは、私より仕事の方が大事なのよ! メッセージの一文も送れないのよね? 私のことなんて、もうどうでも良いんでしょう?』と言われ、挙げ句の果てに『あなたは、仕事と結婚すれば良いのよ!』と言われてフラれたんだと。 沁みる〜! 分かる〜!  そうなのよね〜! とは言えず私の顔は、何とも言えない微妙な顔になっていたんだと思う。 「詩音! なんて顔してるのよ、ハハッ」 そして代わりに美穂が「今、『分かる〜!』と思ってる人は大勢居ると思いますよ。まあ、私には関係ないですけど」 「そう? やっぱそうなんだ。そう言えば山岡(美穂)さんは?」 「あ〜あ! 矢部さん、またセクハラですよ。にそんな事聞いちゃいけないんですよ!」と美穂 「え、そうなの? 俺には聞いたのに? なんなら失恋話までさせられたけど……」 「ハハ、矢部さんは良いんですよ!」 「え? どういうシステム?」 「ハハハハ」 笑って誤魔化しているが、私も美穂の恋愛事情が気になっている。過去には色々あったようだが、今はどうなっているのだろう? そう言えば最近聞いていなかった。また、聞きたいと思った。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

770人が本棚に入れています
本棚に追加