嫉妬

6/6
前へ
/180ページ
次へ
そんな話をして、盛り上がっていると、ふと視線を感じた。 玲央だ! 何やら玲央がコチラをガン見している。 ──え? 何?  と思ったが、玲央は玲央でアチラのテーブルで盛り上がっているようだし、しかも、さっきよりハナちゃんとの距離が近くなっているように思える。 と、見ていると、ハナちゃんが私に気づいて、ガッチリ玲央の腕に自分の腕を通して組んだ! また、私の目は大きく見開き、今度はすごく怒りの表情になっていたようだ。 一斉に美穂も矢部さんも玲央の方を見ている。 「え!」 「あれは、アウトでしょう!」 「宮もっちゃん、良いの? 本宮こっちに呼ぼうか?」 と気を遣ってくれる矢部さん 「あ、いえ、すみません。私ちょっとお手洗いに……」と席を立った。 やはり、ああいう場面は、見たくない! 悔しくて、情け無くなった。 トイレに行って、少し頭を冷やした。 「そろそろ帰ろうかな」 と、女子トイレから出ると、玲央が居た。 「遅っせーな」 「え? どうしてこんな所に居るの?」 「一緒に帰ろう!」と言われ驚いた。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

770人が本棚に入れています
本棚に追加