いつもの……

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玲央からすれば、28歳なのかもしれない。 でも、私にとっては、28歳なのだ。 私、宮本 志音(みやもと しおん) 大手ゼネコンに勤める会社員 一般事務職 そして、彼は同じ会社の技術職 同期入社で同じ歳 本宮 玲央(もとみや れお) 玲央とは、入社前の研修期間中、 お昼休憩の時間に男女6人で同じテーブルになって仲良くなった。 『俺たち苗字の漢字が逆だね』って、 「宮本(みやもと)本宮(もとみや)ホントだね」って…… 今考えると、くだらないことだけど、当時は、理由なんて何でも良くて、最初からお互いが気になる存在だったから、ただ近づきたかっただけなのかもしれない。 玲央は、長身のイケメン、かなり目立っていた。 それに、優しくて話しやすかった。なので、すぐに打ち解けられた。 きっとモテるのだろう。綺麗な彼女でも居るのだろうなと思っていたら、別れたばかりと言った。 『俺いつも長くは続かないから……』と少し寂しそうに苦笑いをしていた。 初めての環境で、束の間の休息 少しでも場を和ませる為に、同期皆んなでくだらない事で笑い合っていた。 そして、その後、私と玲央は、偶然にも同じ部署に配属されたのだ。
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