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そして、食べ終わって一緒に食器を洗った。
すると、
「なあ、詩音!」
「ん?」
「そろそろ一緒に暮らさない?」
ついに玲央の口から、ずっと聞きたかった言葉が聞けた。
実際に言われると、こんなにも驚くものなんだと思った。そして、何より嬉しい。
なんなら今日、私から提案しようかと思っていたのだから、嬉しくないわけがない。
──ん? でも、それって同棲するということなのか? それとも……
「それって……?」
「同棲しよう!」
──あ、やっぱりそうだよね。いきなり結婚はしないよね。
「うん! 私もそう思ってた」
「ホントに? そっか、なら良かった」
仕事と恋の両立が出来ないと言う玲央だから、毎日一緒に居れば、疲れているのも目で見て分かるし、余裕がなくて出来ない家事もしてあげられる。
何より癒してあげられると思った。
それに、今日みたいなことがあると、やっぱり嫉妬してしまうし心配もする。
一緒に住むことで少しは、私の心も落ち着くのかなと思う。
普段ならコレで終わる話。
でも、いつも2人ともが言葉足らずで、誤解が誤解を招いている。
──今日は、きちんと話さなきゃ!
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