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打ち上げ参加
「え〜っと、どうしてですか?」と、私は矢部さんに聞き返した。
「この後、皆んなで打ち上げしようと思ってるんだけど、宮もっちゃんも一緒にどう?」と声を掛けていただいたのだ。
私は、特にクリスマス会の準備メンバーでもなく、ただ頼まれて、少しお手伝いをしただけだ。
「私、メンバーじゃないですし……」
断るつもりだったが、
元々私にお手伝いを打診して来た同期のハナちゃんが隣りに来て、
「詩音ちゃんも一緒に行こうよ! お手伝いしてくれたし、それに、うちの部署の男性陣もたくさん来るよ」と誘われたのだ。
──え? 男性陣? どういう意味?
と、不思議そうな顔をしていると、
更にハナちゃんは私の耳元で、
「相手してくれない彼氏なんて放っておいて、一緒に行こうよ〜」と言ったのだ。
今また玲央と距離を置いているとは言っていないのに、鋭いハナちゃんは、何か勘付いているのだろう。
でも、なぜ彼氏の居る私に、わざわざ他の部署の男性社員がたくさん来る集まりに誘うの? と思ってしまった。
そもそも、ハナちゃんとは、玲央と同じく入社研修の時に『はじめまして』だった。
あの同じテーブルに居たメンバーの1人で、
その後、玲央と私が付き合うことになったのも、なぜかいち早く知っていた。
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