1.ライバルからのプロポーズ

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「那桜……っ!!」 「いやー残念でしたねぇ。誰かさん、今回こそは勝つって息巻いてましたけど?」 「うるさいうるさいうるさーーい!!」 「お前が一番うるさいぞ、吉野〜」  先生の言葉にハッと手で口を押さえる。  それに対してプッと噴き出す那桜。口にせずとも目が「アホ」と私をバカにしている。 「那桜ーー!!誰がアホだーー!!」 「何も言ってませんけど」 「吉野うるさいぞー」  そんな私たちを少し遠くから見つめるクラスメイトたち。成績順で振り分けられるため、3年間面子は変わらずほぼ一緒。  そのため私たちのやり取りも見慣れた様子で静観している。 「吉野さん……黙ってれば清楚可憐な完璧美少女なのにな」 「動いて喋るとなぁ……」 「那桜くん今回も1位だって!」 「頭も良くてスポーツ万能、更には学年一、ううん学校一のハイスペックイケメン!最高だよね♡」 「あの二人って、並ぶと美男美女だしお似合いなのにね〜」 「毎日喧嘩ばっかりしてるよね〜」 「ほんと毎日飽きないのかな」  ヒソヒソ会話するクラスメイトたちの声は、私の耳には一切届いていなかった。
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