私の願う未来の話

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その時の私を救ったのが本だった。小学校に上がって以降、本をあまり読んでいなかった私は、中学校に上がってから少しずつ本を読むようになっていった。 本を読んでいる間だけは、現実を忘れることができた。 自分の知らない誰かの物語を知ることができた。本を読んでその人の気持ちを感じ取ることができるた。 今の自分とは違う自分になれる気がした。 だから、生徒会長になって辛いときも本を読んだ。 たくさん読んで辛さを誤魔化していた。 逃げていた。 そんな時に一冊の本に出会った。 私はその本を読んだ時、心の中が、今までと比べ物にならないくらいスッキリした。 それほど、綺麗な物語だった。 私も主人公のように真っ直ぐに何かに向き合いたいと思った。 それから私は、今まで以上に生徒会に力を入れた。 辛くなったら、何度もその本を読むことで、勇気づけて、前を向いた。 その本のおかげで、私は最後まで生徒会を続けることができた。
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