ペンフレンド

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 マネージャーのひと言でみんなはすぐに仕事モードに入った。まだまだお喋りが大好きな私たち。でももうプロだ。  厳しいレッスンを受け、オーディションを勝ち抜いて今ここにいる。気を抜けばすぐに追い抜かれお払い箱になる。まだ20年も生きてないのに、その厳しさは身にしみて分かっている。  恋愛だの友達だのとうつつを抜かしている暇はない。今は全力で突き進むだけだ。  全力で歌って踊って、やっと1日が終わった。家に帰りシャワーを浴びた。  あの収録の後は純ちゃんの顔が浮かんできて集中できなかった。会えた喜びと男だったという驚き。集中しろという方が無理だ。  今度家に帰ったら読み返してみよう。何が書いてあったかな。記憶を辿っているうちに、いつの間にか眠りに就いていた。 「全国ツアー!?」  東京や大きな都市でのライブはやってきたが、全国を回るのは初めてだ。 「北から南まで、色んな町でのライブだ。気合い入れて行こう!」 「はい!」  レッスンにも気合いが入った。同級生たちは来てくれるだろうか。恥ずかしい姿を見せないためにも頑張らなくちゃ。  そして鹿児島でもライブの予定が入っていた。純ちゃんは来てくれるだろうか。
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