ペンフレンド

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 ツアーの幕は切って落とされた。メンバーそれぞれの地元では、同級生や一族郎党が駆けつけ大盛りあがりだった。  地元で開催されるといっても家に帰ったり友達とご飯を食べに行くなんて事はできない。ライブが終わったら、すぐに次の開催地へ向かわなければならない。渋滞に巻き込まれ会場に着けずライブ中止、なんて事になったら大変だ。なので前日には開催地に入っていなければならない。  そして今夜は私の地元でのライブが行われた。同級生達からの熱い声援が嬉しかった。  ライブを終え楽屋でメイクを落としている時だった。 「冬美ちゃん、お届け物だよ」  マネージャーが箱を持って来た。 「お母さんからだ」 「えー、なになに?」  みんなが興味深そうに箱を覗き込んだ。箱にはメモが乗っていた。懐かしいお母さんの字だ。 『冬美、お疲れ様。 この前のテレビで純ちゃんと会えて良かったね。まさか男だったとはね(笑) 久しぶりに読み返してみたくなったんじゃないかと思って、冬美の机から引っ張り出してきました。 くれぐれも無理しないで。体に気を付けて頑張ってください。 母より』  箱には純ちゃんからの手紙が詰め込まれていた。 「見せて見せて」  夏子はノリノリで顔を寄せてきた。私は一通の手紙を開いた。
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