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「何とも薄っぺらい謝罪ね。貴女のその貧弱な胸元くらい、薄っぺらいわ」
「っ」
「ヘレナ!? それとこれは関係ないだろう?」
「大いにあるわよ! その身体で殿下を籠絡したのでしょう? で? 今、何か月目なのかしら?」
「……2か月目です」
「ふ――ん。じゃぁ、これからサイズアップが期待できそうね?」
「ヘレナ、さっきから何の話をしているんだよ」
「ウェディング・ドレス。もう出来上がっているのよ。別のものが良いなんて贅沢、許さないわよ? 支出元が王家にしろ侯爵家にしろ、国民の税金であることに変わりはないんだから」
「……話が見えないよ」
「私とヴィクトリア様は背丈も違うけれど、胸のボリュームが圧倒的に違うのよ! でもまぁ、妊娠したらサイズアップすると聞くし、長さだけお直しすればよさそうね」
「……ヘレナ、それって――」
「愛し合っているんでしょう? 陛下も、コールネイ侯爵も、みな貴方たちの婚姻に賛成なのでしょう? だったら、良いじゃない。花嫁が変わるだけよ」
「ですが、ヘレナ様は……」
「あのねぇ。私の心配するくらいなら、こんな式の直前に寝取るような真似、しないでくれる?」
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