仲良し夫婦

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 俺だけだなんて光栄だ。いや、違うな。寧ろ、他の奴が離れていったことが信じられないよ。  お前は控えめで優しくて美人で、それでいて我慢強い人だったのに。魅力的すぎて離せなくなるような人だったのに――ああ、いや、今も変わらないな。むしろ、年々美しくなっているんじゃないか。  お前は若くして、苦しい日々に耐え続けていた。全部投げ出したくなるような状況でも気丈にな。  そんな姿を見ていたら、解放してやりたくなった。お箸の片っ方みたいに、欠ければ機能しないほどお前を愛していたから。もちろんこの愛も健在だ。
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