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家族、か。俺は元々孤児だったからな。お前よりは、随分楽な境遇だったさ。
二人のことを思い出して、辛かっただろう。お兄さんのことは特に。
俺が最初にあった時も、ひどく牽制されたもんだ。相当お前のことが大好きなんだなと思ったよ。
いや、違うか。実際に大好きで、愛していたんだよな。お前を影で犯すくらいには。
アイツにお前は苦しめられていた。
毎晩のように強要されていると、姉の子だと聞いていた子が本当は兄との子供だと――打ち明けられた日は腸で焼け死ぬかと思ったよ。
だから、俺は二人を殺したんだ。お前がそう願ったからな。
もちろん、後悔は一瞬だってしていないさ。
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