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よく小説などで、入れ替わりものがあるだろう。特に男女の入れ替わりものは人気で、社会現象にもなった映画もあるほどだ。
その入れ替わりものについて、最近不安に思っていることがある。
入れ替わりとは、相手の体に入ることだ。つまり脳みそも入れ替わり先の相手のものになるのではないか?
感情や思考が脳によって作り出されているのなら、入れ替わる前の人——仮にAさんとしよう。Aさんの心はBさんの体と入れ替わった時点で、存在しないのではないか? と。
Bさんと入れ替わったAさんは、Bさんの脳を使う。それは今までのBさんの記憶や思考や感情を、まるきり継承する、ということ。
逆も然りで、BさんもBさんで、Aさんという人間の全てを継承する。
こうなってくると、そもそも本人らは入れ替わったと認識すらしていないのではないか……。
互いが互いを完璧に受け継ぎ、自分も周りの人間も、入れ替わりが行われた事実に気づかず、滞りなく生涯を送る……。
入れ替わりは、フィクションではなく、現実にそれも日常的に行われていることではないか……。
私たちは、常に誰かの体と入れ替わり続けているが、そうとは認識できずに平然と毎日を過ごしているのではないか……。
フィクションでは、ぶつかった拍子に入れ替わってしまった、という流れが王道だが、あなたは最近、誰かとぶつかったことはあるだろうか?
あなたは誰かと入れ替わっていないか?
無意識のうちに、他人の人生を受け継いではいないか?
あなたは本当に、生まれた時と同じ人間だと言えるだろうか?
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