First note 返り咲き

15/16
前へ
/81ページ
次へ
そう言って慌てふためいた姿を見せれば、少しは免責もあり得るかもしれない。そんな淡い期待をいだきながら発した一言であったが、西内は何やら首を傾げて不思議そうに春樹を見ている? (やはり、こんなことでは許される  問題ではないよな。とりあえず  沢井を追い返さなければ。) 「坂本さん、なにいってるんです?」 しばらく春樹と沢井を見比べるような素振りをしていた西内は、なにか勘付いたかのように沢井を指差して言った。 「さては沢井ぃ!坂本さんに何にも  話してないだろ!?」 「ニヒヒヒ…♡ばーれちゃった♡  何か楽しくなっちゃいましてぇ♡」 思考が完全に停止した春樹。何が起こっているのかさっぱり分からずにいる。 「すみません、坂本さん!沢井には  ちゃんと伝えるよう念押ししといた  んすけどね…。沢井は、今日から  企画課の人間です。企画課長の  秘書として。」 春樹はしばらく考えた。 (沢井が課長秘書?沢井が、庶務課の  沢井が。沢井が!?) 「いやいやいや!ないない!沢井が  企画課に!?どういう事だ?」
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加