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向かい側に晶子さんが座りメニューを見ている。イライラとモヤモヤで心が落ち着かない。
店長がいつもと同じ料理を2人分持ってきた。俺のジョッキコーラを見て晶子さんが笑った。
学祭、昼休みの中庭、駅前での路上ライブ…
俺は晶子さんを知らなかったのに、晶子さんは俺を知ってたなんて…変な感じだ。
俺のクセを指摘して晶子さんがまた笑う。
笑ってる晶子さんが好き。
「彼氏いるの?」
聞きたくない。知りたくもない。でも聞かずにはいられない。
“相原“との関係。俺の知らない晶子さんの毎日。仕事に対する真摯な気持ち。
話の内容に引っ張られてくるくる変わる表情を見ていたら、抱きしめたくてたまらなくなった。
急に真剣な顔して、真っ直ぐに俺の目を見て気遣う言葉をくれた時、俺は泣きそうになった。そして嬉しくなって、ちょっと笑った。
俺は晶子さんが好きだ。
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