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お店を出る時、少し飲みすぎたなと思っていた。純弥が自分が誘ったんだからと言って支払いをしてくれた。相原とはいつも割り勘で対等。純弥とも対等でいるべきなのに、なぜか甘えてしまった。楽しいな…。飲みすぎたせいかな?それとも…純弥といるから?
「わっ」
歪んだアスファルトに引っかかりよろけてしまった。純弥が両肩を掴んで助けてくれた。
「危ないよ」
片方の手を肩に残されたまま歩いていた。私はスッと酔いから覚めた。
線を越えたらいけない。
人だかりがあり、純弥が私の肩を抱き寄せる様にして方向をそっちに変えた。
「何だろ?」
人だかりの中心に倒れた男性と連れの男女がいた。倒れている男性に意識はなく揺すられても反応がない。女性は泣いている。
「助けなきゃ」
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