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「あ…洗った服、バスルームで乾燥させなきゃ」
ベッドから立ち上がると、腕を掴まれ戻された。
「なっ」
「大丈夫?」
「え?」
「何かすごい早口だし、さっきも少し震えてた」
「あ…。あぁ、うん。そう…だね。うん」
「俺も、何かあるなら聞くからね?」
「…うん。ありがとう」
私は純弥から視線を外し、腕を掴んでいる純弥の手に反対の手を重ねた。
「怖かった…さっき」
「うん」
「一緒にいてくれて良かった」
そう言って立ち上がりバスルームに向かった。
私は泣いていた。私、純弥にドキドキしてただけじゃなくて、ずっと怖かったんだ…。目の前に息をしていない人がいた。怖かった。冷静でいよう…冷静でいられた…そう思ってた。私ずっと平気なフリしてただけだったんだ。純弥はそれに気づいて側にいてくれたんだね…。
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