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目が覚めた。
純弥と、飲みすぎたビールのおかげで少し眠れたみたい。純弥の方を見ると私に背を向けていた。音を立てない様に起き上がりバスルームに乾いた服を取りに行く。洗ったとはいえ、着るのは少し抵抗があった。服を畳みベッドに戻る。エコバッグに服を入れパーカーとスウェットを持ってまたバスルームに行く。これを着て帰ろう。
「純弥、帰るね」
眠っている純弥に声をかけ、無意識に髪を撫でてしまった。突然、純弥が振り向き私を抱き寄せた。
「起きてたの⁈」
バランスを崩した私は純弥の上に被さる様に倒れた。そしてそのまま引き寄せられてキスをされた。何度も、何度も。
私を抱き寄せる手が緩み、顔を離したら目が合った。
「ダメだよ」
バッグを拾い部屋から走り出す。駅まで止まらず走った。心臓が痛い。痛い。痛い…。
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