低空飛行

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 もう部屋には誰もいなかった。  書き起こした記事をレイアウトしながら10周目の低空飛行を無意識にハミングしていた。  この仕事が好き。  ずっとこの仕事を頑張っていきたい。  みんなが喜んでくれる記事を書きたい。  いつか、笑って話せる様になったら…また純弥の記事を書きたい。  MCも笑いを取るのも上手で、イケメンで、無茶振りにも全力で…そして何より、素敵な歌を作るんだよ。ってたくさんの人に知って欲しい。 「晶子さん」  マウスを持つ手が止まる。  左耳のイヤホンが外された。 「晶子さん。好きだよ」  ゆっくり顔を向ける。 「俺、晶子さんが好きだよ」 「私…」 「側にいたい」 「…」
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