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発情期休暇を貰っていたが、緊急の対応が入り、渋々今日だけ仕方なく出社した
彼をひとりにすることに抵抗があったが、「大丈夫。今は落ち着いてるし、士郎さんが帰ってくるの良い子で待ってるから」と可愛らしく言われてしまい、仕方なく…
昨日まで少しでも離れるとすぐに泣いて俺の名前を呼び続けていた可愛い番
いや、まだ番にはなれていないけれど、それももうちょっとだと思う…
最近の雪兎は、好きだと言いながら謝ってくる
まだ番になることに対して、何か気になることがあるのかもしれない…
巣作りもして貰えないのは、俺に何か足りないのかと思い悩んでしまう
「早く帰って、いっぱい抱き締めてやらないと」
発情期中の寂しがり屋な愛しいΩのことを思い、先方からのどうしてもと言われた対応を笑顔でゴリ押しして片付けた
「じゃ、俺はもう帰るから。後の対応はよろしく。俺がやるヤツは4日後にするから、絶対に呼び出ししないように」
同僚に念を押すように笑顔で言い、会社を駆け足で出て行く
「宮城さんの笑顔、コエぇー…」
「仕事早かったなぁ…先方、絶対ゴネて今日は帰れないかと思ってたのに…」
「番さん、あんなカッコイイαが相手って羨ましい!!」
「いや、あいつ、まだ御預けされてるから、番にはなってない…あっ…」
口を滑らした部長の一言のせいで、社内は響めき、噂話しは士郎が出社するまで続いた
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