プロローグ ーハナの秘密ー

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 それから僕たちはつきあいだした。  殆ど僕が強引に恋人関係に持ち込んだ感じだ。こんな子をそこら辺に置いといていい訳がない。  いつかハナに訊いたことがある。 「高校の時って彼氏いなかったの?」 「はい、女子高だったから、全然そういう機会無くって。あ、でも、一度女の子から告白されたことはありました。ごめんなさいしましたけど……」 「その子って、飲み物の回し飲みするぐらいは仲良かった?」 「はい、部活もクラスも同じで仲良しでしたよ~」  ハナは笑って言ってるけど、その友達は君の唾液に酔ったんだよ。  これが共学だったらどうなってたか。  危なくてしょうがない。 「男友達と二人でどこか行ったり、飲み物回し飲みしたり、同じ箸使ったらダメだからね。僕がいるからには」 「シン先輩、ヤキモチ焼いてくれるんですか……?」 「そうだよ。ハナは僕のものだからね!」  素直で一緒にいて楽ちんで夢中にさせてくれる女の子。  誰かに取られたらたまらない。僕はハナをぎゅーっと抱きしめて、頬にたくさんキスをした。 「先輩、あはは、くすぐったい! やめてくださいよ~!」  彼女が手をパタパタしながら笑う。  この子は僕がずっと守っていこう。  可愛いハナ。  大好きだよ。
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