異種接近遭遇 Part2

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      ❖ チャトランこと茶トラの地域猫をなでながら、薄暗くなっていく春の空を見ていた。一番星が控えめに光ってる。 ああ、なんか、久しぶりに一息ついた感じ。しばらくは有休もあるし、のんびりしよう。 「秋良サン!」 男の人にしては、少し高めの澄んだ声に目を向ける。 「あっ、ライ。お帰り~」 「タダいまデス! チャトラン、おなかすいてマスか~?」 わしわしとチャトランの首周りをなでるライに、桜耳をパタパタさせ、わずらわしそうにするチャトラン。 「さっき私が食べさせたよ。今はもういらないんじゃないかな」 「秋良サンは? 食べマスか?」 白髪と白ひげの紳士が目印のフライドチキンの箱。……どうりで良い匂いがするはずだ。 素直に受け取れば、ライから「シャワー浴びたら行きマスね」と言われ、深く考えずにうなずいた。       ❖ 濡れた黒髪に、ざっくりと胸もとが開いたニットを着たライは色っぽい。というか、そんな感想をもつ自分にかなりの自己嫌悪。 年増(としま)にこんな風に見られてると知ったら、さぞかし気色悪かろうと、冷蔵庫を覗き込む振りをして頭を冷やす。
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