異種接近遭遇 Part2

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「見マシた、か?」 「えっ」 ゆらりと、至近距離で私を見つめたまま、ライが上半身を起こす。初めて見る、無表情。 何かの警告を受けたかのように感じて、頬を引つらせながらも笑ってみせた。 「ファスナーのピアスなんて、変わってるね」 「ああ、そうキマスか?」 いつもの、笑顔。なのに、とてつもない違和感のある笑みを、ライは浮かべていた。 そのまま軽く首をかしげ、自分の喉仏の辺りに手をやる。小さく咳払いした、のち。 「いいんですよ、本当のことを言ってくれて」 流暢(りゅうちょう)な、日本語。ややハスキーな艶のある声は、どこかで聞いたことのある声。 それが、ライの口から発せられた。 「……あれ? おかしいな、もっと喜んでくれると思ったのに」 くすっと笑う、その声。あまりのことについていけない鼓動が、滅茶苦茶な心音を奏でて耳もとで響く。息が、うまくできない。 ライの唇が、そんな私の耳もとでささやいた。 「あなたの好きな、緒方さんの声ですよ?」
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