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愛に飢えた王は、常に退屈していた。 「もっと愚かな愛が見たい」 切りつけた指先から血が滴り落ち、それは 硬い小さな、人々の欲望とその身を喰らう種となり、地上へと落とされた。 「久しぶりに奴らの愚かな愛を見たい」 我にはなく、決して手に入れることも、差し出すことも出来ない、奴らが大切にしている愛というものを。 さあ、この狂乱の種で、欲望にまみれた愛をさらけ出せ。 我の心にも響く歪んだ愛を。
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