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「それで、オレのことが好きで好きで、花を吐くほど大好きで堪らないカインは、あの薔薇をどうするつもりだ?
無駄に強固なガラスに封じて枯れることもないアレを」
あれから、ベッドに腰掛け後ろから抱き着いて一向に離してくれないセオドラ
コイツ、こんなんだったか?
枯渇した魔力を接触によって移してはくれてるんだけど…
こんなに引っ付かなくても出来るし、もう吐き気は無くなったからこれ以上移して貰わなくても、後は自然回復でいいんだが…
と思いつつ、触れ合っている背中や抱き締めてくれている腹が暖かくて気持ちが良い
絶対に完治しないと思っていた病が治り
報われないと思っていた気持ちが通じた
部屋に散らばっている薔薇を一つ一つ、魔法でガラスに閉じ込めながらこの奇跡のような状況に頬が弛む
氷結魔法と風魔法を組み合わせ、ガラス内を真空にした後に氷点下まで温度を下げている
理論上では、開けない限りは半永久的には枯れることはない幻の青い薔薇
「ん~、触ったら感染するって書いてたし、ガラスを開けて空気に触れた瞬間ドロドロに溶けるようにしてるからな…
とりあえず観賞用で売るか?オレの学費と研究費、実家への仕送りにも充てれるし」
思ったことを提案したのに、セオドアの表情が見る見る不機嫌になっていく
「お前、オレへの気持ちを売るとか…
それは、全部うちで買い取る。お前の面倒は今後オレが全部みる。だから、そんなことすんなよ…」
拗ねたように肩口に顔を埋めてぐりぐりしてくる姿に笑みが溢れる
コイツ、こんな可愛いことしてくるなんて知らなかったな…
「オレの恋心がこれっぽっちな訳ないだろ。一生掛けて思い知れ、バーカ」
チュッと音を立てて頬にキスをすると、見る見る赤くなっていく彼に愛しさが募る
もう、花を吐き出すことはないけれど、この想いが尽きることはないだろう
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