122人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
告白しているようなものだから、
私の心臓は、凄くばくばくしてて。
もう限界だから手を離そうとしたとき。
「なんか、してやられた気分」
蓮斗さんの声が聞こえたと思えば。
──────ギュッと。
蓮斗さんの匂いと温もりに包まれた。
「〜〜っ、蓮斗さんっ、」
さっ、さっき、きっ、キスしだけど!
ハグもしたことなかったから、
初めての距離にドクンと大きく音を立てる心臓。
「美里。そのまま聞いて」
優しく言葉を出す蓮斗さん。
「俺、美里が好きだから、一生離さねぇよ」
そう言って、
──────ちゅっと。
私の、おでこに温もりを落とすと。
「俺たちは、〝嘘〟から始まったけど、
これからは、2人で夫婦になっていこう」
結婚したフリで過ごした、1年。
「私も、蓮斗さんを離しませんっ‼︎」
想いを確かめあえた、正直になれた今日は。
──────私たちの、新たな始まりの日だ。
fin.
最初のコメントを投稿しよう!