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最初は政略結婚で、
それが偽装結婚になっただけの関係だったのに。
気づけば、
──────蓮斗さんに恋してる自分がいた。
でも...............それは蓮斗には言わない。
ううん。言えたとしても、言わないと思う。
だって、それは蓮斗さんを縛りつけるだけっ。
分かってるから........................
先にリビングに入って、
スーツのジャケットを、
脱ごうとした蓮斗さんの後ろで。
「蓮斗さん、無理しなくていいよ」
静かに、その言葉を告げた。
もう、これで終わり、終わるんだ。
これ以上、
私も、蓮斗さんも〝嘘〟をつかなくてよくなる。
蓮斗さんから言葉が返ってくるまで。
すごく、ドキドキしている自分がいる。
それなのに...............蓮斗さんは何も言わない。
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