120人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
***
浅井さんの代わりにやってきた居酒屋。
予約の名前を伝えて、
席に行くと、まだ誰もいなかった。
「...............はぁ、なんで私が、」
俯いて、そうポツリと呟いたとき。
「久しぶり」
ふわり、風に乗るように聞こえてきた声。
あれ...............この声って?
そう思って顔を上げるとそこには。
「............っ、斗真、」
大学生のとき、4年間付き合っていた彼氏の、
川岸斗真(かわぎしとうま)と...............
その隣に並ぶ、
──────可愛い女の子。
しかも、女の子と共に、
揃って私の目の前に座ってきた。
「えっ、ちょっと、ここっ、」
〝合コン、あるとこだよ!〟
なんて、言えるハズもなく言葉に詰まったとき。
「おー、斗真。結乃。
先に着いてて良かったー!」
斗真と、
その隣の女の子の名前?を呼ぶ声がした。
最初のコメントを投稿しよう!