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「……こほん。 じゃあ次からそうしようかな。 わざわざヒモを用意して貰うのもなんだしね、うん」
「ふふ、リュートもそうやって普通の子供みたいに照れたりするんだね。 妙に大人びているからお父さん少し心配してたけど、これなら問題ないかな」
「心配? なんの?」
「同じ年頃の友達が出来るかどうかを、だよ」
友達、か。
確かに同い年の友達は欲しいかも。
折角人生をやり直してるんだ。
この際、童心に帰って遊ぶのも悪くないかもしれない。
「友達かぁ。 僕にも友達出来るかな、お父さん。 ずっと一人だったから心配だよぉ」
「そんなに心配する必要ないさ。 リュートは社交性もあるし、一人で何かを成し遂げられるだけの力と知恵もある。 勇気さえあればリュートなら友達の一人や二人、すぐ出来るだろうからね。 だから安心すると良い」
「はーい!」
子供の振りすんの、マジでしんどい。
だがこれも全ては友達を作り、人生を謳歌する為に必要な犠牲。
その為なら俺は涙を堪え、ぶりっ子しようじゃないか。
「じゃあ昼食の後に村に顔を出してみようか。 友達になれそうな子を探しに、ね」
「うん! 楽しみー!」
いざ行かん、我がヴェルエスタ家が治める領地へと!
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