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「お父さん、大丈夫?」
そこら辺に落ちていた木の枝でつついてみたが、父さんは一向に起きない。
わざと薄くしたとはいえ俺の防御魔法越しに気絶させるとは、恐るべし母さん。
いや、母さんの事だ。
それすらも見越して本気でぶっ叩いたまであるかもしれない。
父さんの頬に浮かぶ紅葉のアザから僅かに感じる魔力の残滓がその証。
「身体能力強化の魔法でも使ったのか? じゃないとこうはならないよな」
言いながら、俺は何度もツンツンする。
同時に、身体能力強化の魔法を発動。
更に続けて、ステータスボードを表示した。
【リュート=ヴェルエスタ。 ステータス一覧。 体力値9999。 スタミナ999】
この体力値というのは色々試してみた所、スタミナとは別の意味での体力らしい。
スタミナが走る、泳ぐ、などの何らかの行動に際して消費するものに対して、体力値はゲームで言うところのヒットポイントに当たるもののようだ。
有り体に言えば、再生力。
ほんの少しの傷を治したいなら体力値を100程使えば瞬時に完治し、どこか欠損した場合も体力値を相当数削れば再生が可能となる。
次に【魔力量9999】。
これは読んで字の如く、魔力の総量。
他の人の魔力はどうか知らないが、多分これはかなり論外な数字だ。
なにしろ、俺が今使える最大魔力量を誇る魔法、バレットレーザーはおよそ300。
単純計算で、30回は撃てる計算になる。
砲台かな。
ちなみに母さんによると、バレットレーザーほどの威力、魔力量のある魔法は他になく、使おうとしても魔力が足りなくて使えない代物なんだそうだ。
それを加味して考えると、俺以外の人間の魔力量は恐らく200前後。
だと思う、多分。
さて、ステータスについてのおさらいはこんな所か。
じゃあ次はっと。
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